中医学学習臨床試論

ヘパーデン様関節腫脹の考察③

治療を考察する

 
「手掌部筋肉群と前腕屈筋及び伸筋の過緊張から起こる手根関節と手根骨の亜脱臼を主とした、手指第一関節部の牽引と圧迫。」を原因とした場合の治療法の1例を紹介する。
この治療法は、戦略的に順序立てて行う。
 
①前腕伸筋群と屈筋群の筋緊張の解放
経穴を取穴するというより、経筋の治療を第一とすると良い。単純に前腕部と肘部の経穴を深く刺鍼あるいは点圧する。緩めるならば関節部から緩める方が良いだろう。筋腹部から緩めるよりも、手数が少なくて済む。
 
さらに、経穴名で言えば「外関内関支溝」は非常に有効である。
この時点で、手根関節の屈曲・伸展の可動域が拡大していれば、次のステップへ。かつ、手指屈曲で患者さんには何となく軽くなったという感覚が得られる。
 
②手根部周囲のアプローチ
橈尺関節と手根骨間の隙間を作る必要がある。多くのへパーデン結節がある患者さんの特徴として母指外転筋・対立筋や短掌筋の緊張が強いことがある。
経穴では大陵・陽池を中心に魚際などを治療しながら手掌が開きやすいようなアプローチをする。
 
③手根骨の調整
特殊なことは必要ないが、手首を把持して牽引をかけつつ、手首を回せばそれなりに入ってくれる。
 
④手指の調整
ここからの調整が一番時間がかかる。へパーデン結節患部の手指をねじって回して行くことで関節の間隙を調整して行く。
 
これらの順序を踏まえて2・3ヶ月は調整する必要がいる。
 
現状、これらが関節リウマチや腱鞘炎、またはガングリオンなどに続く治療の考察である。

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